大雪で車が立ち往生するのはなぜ?片側2車線なら追い越しできるのでは?

2020年12月16日夜から

新潟県内の関越道や上信越道などで

1000台を大幅に超える数の車が

大雪のため立ち往生が発生。

新潟県は自衛隊の災害派遣を

要請するほどの事態に発展しました。

新潟と言えば日本屈指の豪雪地帯です。

除雪に大きな予算が配分されており、

天気予報でも大雪予報が出ていたことから、

万全の体制で除雪体制を敷いていたはずです。

立ち往生が発生した区間は、

走行車線と追い越し車線がある

片側2車線の区間です。

もし片方の車線で先頭車が立ち往生した場合、

となりの車線を使って

追い越すことができそうな気がします。

なぜそれができないのでしょうか?

立ち往生に必要な備えは?

もち立ち往生したらどうしたらいいのか?

ご紹介していきます。

 

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報道内容

今季最強ともいえる寒気が大陸から流れてきた結果、各地で12月としては例を見ないほどの大雪に見舞われました。雪は日本海側だけでなく、名古屋や京都でも雪が降るほどの寒波となりました。

 

日本海側を中心に大雪に見舞われた影響で、新潟県内の関越自動車道や上信越自動車道で16日から17日にかけて計1000台以上の車が立ち往生した。

【立ち往生した車が並ぶ関越道塩沢石打IC付近】

東日本高速道路によると、関越道では17日午後時点で、上り線塩沢石打インターチェンジ(IC、南魚沼市)付近から15キロ、下り線で湯沢IC(湯沢町)付近から16・5キロの渋滞が発生。上り線で約750台、下り線で約350台が立ち往生している。除雪が難航し、同日午後7時時点でも解消の見通しが立っていない。

上信越道でも、17日朝までに上越高田IC(上越市)と妙高高原IC(妙高市)間で約200台が一時立ち往生したが、近隣のサービスエリア(SA)などへの待避でほぼ解消された。

~出典:毎日新聞

 

 

立ち往生に巻き込まれた方のTwitter投稿

12月17日21時現在では、また立ち往生は解消されておらず、夜間は高速道路上を歩いて移動、避難するのは危険なため、17日夜も原則車内で待機してもらうという方針で、自衛隊やNEXCOの社員が食料や携帯用トイレを配布しているそうです。

 

下記の方は車内に食料がないため、

飲まず食わずの状態のようです。

【追記】

20時頃に緊急物資が配布されたそうですが、

車はまだ動いていないそうです。

 

 

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なぜ立ち往生した車を避けようとしないの?

走行車線で車がなんらかの理由で立ち往生したとします。

例えば、上り坂を登れなくなったり、

のろのろ運転の状態が続いた結果、

前の車との車間が詰まって停止したり、

最初の車が立ち往生する要因はいろいろあります。

ならば、

 

それを見た後続車が

スタックした車を避けるために

隣の車線に移動してもよさそう

 

 

と思ってしまいます。

そうすれば、渋滞は発生するものの

何百台もの車がスタックするような

事態は防げるような気もします。

ではなぜそれができないのでしょうか?

 

 

(1)車線をまたぐことができない

雪がどんどん降っている場合、

わだちが大きくなります。

走行車線と追い越し車線の間には、

特に大きな雪の段差ができて、

その段差を超えられなかったり、

超えようとしてスタックしてしまうこともあります。

 

 

(2)心理的な要因

人間は状況が理解できない事態が発生すると、

他の人や周囲の人の行動にならおうとします。

前方に車が数台が停まっている場合、

後続の車はその停まっている車の後ろに停車。

それがどんどんと波及して、

車の流れがストップしてしまいます。

特に交通量がある道路では、その影響が大きくなったり、

ましてや、大雪などで視界が悪い場合、

周りの車の行動にあわせようとする心理が大きく働きます。

結果として車列が止まってしまいます。

 

 

(3)雪が積もる勢いがひどい

上記の理由で車列が止まった場合、

雪がどんどん積もっていくと、

車の周りが雪に覆われます。

一般的に車のタイヤの直径の20%程度、

普通車では20cm程度の雪に埋もれてしまうと、

車は進むことができなくなるを言われています。

仮にスタックしたとして、アクセルをゆっくり踏むことにより、

スタック状態から脱出できる可能性がありますが、

どうしてもスタックしてしまうと焦ってしまい、

アクセルをふかしてタイヤが空転すると、

さらにタイヤの下にある雪面を掘ることになり、

ますますスタック状態を脱することが困難になります。

 

 

なぜスタックする?

トレーラー

大型車などは雪道の対策として早めにチェーンを巻きます。

ですが、荷重がうまく駆動輪にかかっていないと、

わずかな積雪や、わずかな勾配でも、

一度停止してしまうと進めなくなることがあります。

 

FR車(後輪駆動)

普通車のエンジンは基本的に前にあります。

後輪駆動車は、発進時に駆動輪にかかる荷重が少ないため、

雪道においてはスリップしたり、

スタックしやすいとされています。

 

 

 

4WD

一般的に4WD車は雪道に強い!

というイメージがありますね。

確かに上り坂や、停止状態からの発進については

4WDのほうが強いです。

ですが、車を停止させることについては、

FF(前輪駆動)、FR(後輪駆動)と

あまり大差はありません。

さらに、下り坂に関しては重量が重い分

それだけ停まりづらくなるので、

4WDだからといって過信は禁物です。

 

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立ち往生に対する備え

・チェーン

スタッドレス装着は当たり前ですが、

山越えする際などに持っていると安心です。

 

・ガソリン満タン

ガス欠になってしまえば、暖房もとまります。

大雪が降る前には満タンにしておくことをおすすめします。

 

・防寒具、毛布

立ち往生した際はエンジンを切るほうが、

燃料節約や一酸化炭素中毒を防ぐためにも効果的です。

エンジンもきっても凍えない対策が必要です。

 

・スコップ

スタック状態からの脱出には必要です。

もし長時間立ち往生した場合、

マフラーが雪でふさがれると

一酸化炭素中毒で中毒死を起こすので、

マフラー付近の除雪も必要です。

 

・ブースターケーブル

車のバッテリーが上がってしまった場合にこれを使ってバッテリーを復旧させます

 

・食料、飲料水

長時間立ち往生すると、食料や飲料水の確保に困ります。

あらかじめ、小腹を満たすくらいの食料と飲料水を用意しましょう。

 

・簡易トイレ

トイレのないところで長時間立ち往生

することの方が多いので、これがあると安心です。

 

・長靴

雪が降り積もれば長靴がないと雪まみれになり、

ズボンや靴が濡れて余計に体を冷やすことになります。

 

 

 

もし立ち往生してしまったら

・マフラー付近をこまめに除雪する

マフラーが塞がれてしまうと、

排気ガスが車内に充満して、

一酸化炭素中毒で死亡していまいます。

この一酸化炭素中毒は無臭のため、

気づくことができません。

過去には車内で寝ている間に

亡くなるケースもあります。

 

・ドアが開くことを確認する

氷点下になり車のドアが開かなくなることもあります。

特に風下のドアが開くかを定期的に確認しましょう。

 

 

まとめ

2020年12月19日以降の1か月予報では、

日本海側や北日本を中心として、平年より気温が低く、

降水量も多いという予報が出ています。

早く立ち往生が解消されて、

巻き込まれたドライバーさんたちが

早く解放されることを祈ります。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。